お彼岸ってなぁに?
お彼岸は、インドの古い言葉、サンスクリット語の「パラミター」が中国に伝わった時に漢訳されて「到彼岸」となり、日本に伝わった時に省略されて「彼岸」となりました。
彼岸とは、迷いや苦しみのない浄らかな世界を言い、私たちの生きている煩悩に満ちあふれた迷いの世界を此岸と言います。
そして、彼岸を「極楽浄土」と捉え、この此岸から彼岸(極楽浄土)に至るための仏道修行の期間がお彼岸の本来の意味になります。
では、どういった仏道修行なのかと言うと、「パラミター」を音訳すると「波羅蜜多(はらみた)」となります。
仏教には極楽浄土へ渡るための六波羅蜜の教えがあります。
【布施】施しをすること。
【持戒】戒律を守ること。
【忍辱】耐え忍ぶこと。
【精進】努力すること。
【禅定】心を集中し安定させる。
【智慧】仏のはたらきを知ること。
この六つ教えは、普段から心掛けていくべき、特に難しい内容ではないことはお分かりになるかと思いますが、これすら満足に出来ないのが私たち人間です。せめてお彼岸の期間だけでも心掛けたいものですね。
さて、今申したのが本来の意味。実際には、ご先祖様に想いを馳せお墓にお参りするのが日本独自の仏教行事である「お彼岸」のイメージでしょうか。
浄土の教えでは、極楽浄土は西の方角にあるとされています。太陽が真西に沈む春分の日に、極楽浄土をイメージし、そこにおられるご先祖様を身近に感じ供養する習慣になったのでしょう。
いずれにせよ、私たち日本人にとって「お彼岸」は特別な日です。義理でお参りするのではなく、それぞれの想いでご先祖様に会い、自分自身を見つめる良いご縁となって頂きたいと思っています。